【2020年版】小規模オフィス移転・引っ越し業者8選
【目次】
小規模オフィス移転・引っ越しに業者必要?
小規模のオフィス移転だと、移動させるモノも少なかったり、資金の確保のために無駄な出費を抑えたかったりする場合があったりするので、「自分たちでやろう!」といった方針でオフィスを移転させる会社も少なくないと思います。
実際、とりあえずのオフィスだった、とかの場合、次のオフィス移転ではデスク等は処分し新しいものを購入する前提ということも多かったりします。
しかし、安易に「自分たちでやろう!」だと少し考えが足りないかもしれません。
少し冷静に考えると、結果非効率だったり、リスクが潜んでいたりします。結局「最初から業者にお願いしとけばこんな事にならなかったのに〜、、、」なんてことになったりした話をなんども聞きます。
事前にどんなことを想定しておくべきか、実体験と周りの企業の声を含めて「3つのポイント」簡単にお伝えしておきます。
ⅰ)オフィス選定はプロ必須
オフィス移転を考えるなら最初に場所決めが必要になってきます。これ、立地と広さとかだけでみるとかなり痛い目見ることがあります。
なぜなら、考えているレイアウトが組めない可能性があるからです。
例えば、内見時に「ここは壁で区切って会議室にして、、、」とか考えるとします。そして契約して、いざ業者へお願いすると、業者から「ここエアコンがあるから区切るとメインルームエアコン効かないよ?」とか、「条例で窓がないといけません」 とか、「電気配線的にダメだよ」とか、、、
こういったリスクは素人目だけでは回避しきれないんです。業者をつれていって、プロの目で見てもらいながらレイアウト等を考える必要があります。
ⅱ)最重要!デザイン性
これは個人的には最重要だと思っています。デザインは素人とプロでは明らかにできが違います。
そしてこのデザインというのは、「働いている人のモチベーション」「企業のブランドイメージ」「採用時の差別化」といった、経営の根幹部分を担うといっても過言では有りません。
たとえ4人程度の事務所で20平米程度しかない、そういった小規模だとしても同じことが言えます。むしろ、ベンチャー等といった企業だからこそお金をかけてブランドイメージを構築することが、今後の成長に大きく関わってくると言える考えています。
ⅲ)見えない仕事の多さ
オフィス移転は住居引っ越しと違って本当に行わなければならないことが多いです。
しかも、調整失敗が業務効率の低下・業務停止に繋がり、売上・利益の損失に直接関わってきます。
物を移動させるという作業だけでも、家具搬入・新規家具の手配・不要な家具の処分手配・養生・トラック手配・新旧ビルへの連絡・近隣オフィスへの連絡・スケジュール管理.....きりがないです。
他にも、ネット関係やコピー機やパソコンの設定等もあり、そのスケジュールを引くことを考えるだけでもめまいがします。
具体的には、以上のような詳細を「【オフィス移転】流れ/チェックリスト/メリット・デメリットまとめ」で書いているので参考にしてみてください。
以上のような面倒なディレクションもまるっと管理・手配してくれるのが業者になります。
「安物買いの銭失い」と言うことわざがありますが、まさにその時間を他の業務へ費やしたほうが後々会社のためにもなるのではないかと経験上思う次第です。
小規模オフィスの引っ越し業者【運搬専門】
先述したとおり、運搬だけ任せる、では不足している要素が正直多いです。
ただ、全体のディレクションは確保できてる!や、デザインはこの業者にお願いしてる!とか、とりあえずデザインとは度外視、荷物だけ運びたい!なんてこともあると思います。
そういった企業向けに、ここでは運搬重視の会社を紹介したいと思います。
(正直引っ越しオンリーなら比較サイトを利用したほうが良いかも、、、オフィス用の引っ越し比較サイト※以下は、比較サイトでは出てこないものもあるので参考にしてみてください。)
①値段重視!【ハコブ引越しサービス】
https://www.hakobu.rocks/officeiten
とにかく安いです。5名程度のオフィスであれば約4万円〜・15名程度であれば約10万円〜でやっているようです。
先述の一括見積り以上の値段が出ることも多いと思います。
また、移転関連のサービス(原状回復・不用品改修・ネット関係・OA機器関係等)は一通り揃えておりオプションで必要なものだけお願いするというのも一つの特徴かなと思います。
②安心大手【ハトのマーク引越センター】
「親切・ていねい・安心」をモットーに、昭和49年に設立した事業協同組合で出来ている会社です。とにかく歴史が長い、、、、
また、北海道から沖縄まで、全国200のセンターが移転先でも待機しているため、遠距離移転なんかでも安心です。
③運ぶもの少ない!【ホームレンジャー】
https://kurasi-helper.com/moving/office_moving_2188/
超小規模移転なんかに適しているかなと思います。オフィスデスク1つから柔軟に対応してくれます。
会社規模も大きくないため、いろんな要望にも答えてくれそうで少し変則的な移転であればまずは相談してみても良いかもしれません。
ただし、関東圏内だけですので注意してください。
小規模オフィス移転業者【まるっとお任せ】
以下で紹介するサービスは、オフィス移転のプロジェクトマネージャーとしてイチ社員のような形でまるっとワンストップで動いてくれるものになります。
先述した「オフィス移転時のポイント」を抑えて移転する際は以下が必須になりますが、「ⅰ)事務所選定」から付き合ってくれる業者は少ないです。
上記ポイントを抑えているか、その他クオリティはどうかというのも触れて簡単にまとめていきたいます。
①とにかく急いでる!【ブレインズ】
デザイン:3
実績:3
価格:2
業務範囲:3
特徴
とにかく早い!というのが、売りのようです。
最速スケジュールが「問合せ」〜「移転日」まで最短7日でできるとのこと。ただし、物件選定+契約後のサービスになります。
ワンストップサービスはもちろん、引越しだけ、電気工事だけなど部分的なサービスの提供も行っているようです。
ベンチャーなんかは移転経験がなく、担当への振り分けが甘く退去スケジュールにルーズだったりすることが多いため、退去直前になって、「いろいろ間に合わない!」となることが多いというのも事実です。
そういった際には是非利用してみたいですね!
②デザイン&コスパ最強【オフィス空間】
デザイン:4
実績:5
価格:4
ワンストップサービス範囲:5
特徴
最もバランスが取れていて、私の中では一番のおすすめと言ってもいいかなと思います。
かなり希少な内見同行から一緒にしてくれます。そういった意味で「サービス範囲」を”5”にしています。
実績も多く、会社規模も大きく割に、小さな案件も丁寧にさばいているイメージです。そのため、今では誰もが知る会社の駆け出し時代のオフィス移転から世話している、なんて付き合いも多いようです。
デザインをするとかなり高くついてしまうオフィス移転ですが、この会社はデザインもよく、その割にコスパが良いということで評価されているようです。
グループ会社で引越し業者・OA機器業者等も揃えており、あらゆるサービスをワンストップで提供しているため、価格も抑えられるみたいですね。
③倉庫工場もOK【オフィス引越しセンター】
デザイン:3
実績:4
価格:2
業務範囲:3
特徴
「レイアウトパック」「レイアウト+工事パック」「レイアウト+工事+現場管理パック」と状況に合わせて依頼できるのが特徴かなと思います。
デザインコンペで入選!と書いてありますが、オフィスにそれが当てはまるのか分からないのと、施工事例がないのでイメージができないので「デザイン」は"3"です。
④ひと味違う移転【ヒトカラメディア】
http://hitokara.co.jp/service/
デザイン:5
実績:3
価格:1
業務範囲:2
特徴
オフィス移転を一つの経営戦略と捉えてサービスを提供しています。
「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変える、というのがヒトカラメディアのオフィス移転理念です。
”考える”作業が多いだけに価格も安くはありません。規模も超小規模、というよりは小規模(10~30人)〜中規模(30~50人以上)あたりの会社利用するサービスかなと思います。
⑤関西なら【マイスター引っ越しセンター】
デザイン:2
実績:3
価格:3
業務範囲:4
特徴
関西で人気の企業になります。ただし、支社は名古屋や東京なんかにもあるとのこと。
平成16年設立ですが5000件の実績も豊富で安心してオフィス移転を任せられる企業です。
施工事例が見えてこないのもあり、デザイン部分に少し不安はありますが、関西圏であれば相談にいってみるのもいいと思います。
2020年度版【オフィス移転】ワンストップコンサル業者8選
- 【オフィス移転コンサル業者①】フロンティアコンサルティング
- 【オフィス移転コンサル業者②】オフィス空間
- 【オフィス移転コンサル業者③】コクヨ ファニチャー
- 【オフィス移転コンサル業者④】ブレインズ
- 【オフィス移転コンサル業者⑤】三幸ファシリティーズ
- 【オフィス移転コンサル業者⑥】日通
- 【オフィス移転コンサル業者⑦】ザック
- 【オフィス移転コンサル業者⑧】ヒトカラメディア
オフィス移転は会社の一大プロジェクトです。舵取りを間違えてしまうと、会社の経営状況をも左右する要素があると考えています。
会社の規模に関係なく重要になってくるオフィス移転は住居の引越しとは違い、多くの事を気を付けなければなりません。そしてそれを整理する必要があります。
オフィス移転を行った企業、これから移転しようと動き始めている企業の担当者ならわかると思いますが、このオフィス移転は本当に隠れた業務が多く大変です。
そこで、その煩雑で面倒なオフィスの移転にまつわる設計・サービスを一括してくれる会社を今回は紹介したいと思います。
企業のオフィス移転を不動産探し〜新オフィスのデザイン含めワンストップでサービスを提供するコンサルティング会社が数多く存在します。その中で、すでに実績を十分に備えた企業で、特徴などを8社に渡ってそれぞれ紹介していきます。
【オフィス移転コンサル業者①】フロンティアコンサルティング
https://www.frontierconsul.net/
- デザイン:5
- 実績:4
- 価格:2
- ワンストップサービス範囲:3
- 特徴
名前の通り、オフィス移転に関して企業戦略やブランディングの会社の経営の根幹部分から考えられたオフィスの移転を提供するコンサルティングをしてくれる会社です。
サイトのデザインからわかるように、オフィスの内装・レイアウト等にも強い印象を受けます。国内の引越しはもちろん、ベトナム・ハノイや中国・上海にも現在拠点を設け、海外進出するお客様のオフィスのコンサルティングも行っている特徴があります。
【オフィス移転コンサル業者②】オフィス空間
- デザイン:4
- 実績:5
- 価格:4
- ワンストップサービス範囲:5
- 特徴
自社にショールームを持っていたり、展示会等もよく行われており、実際に触れてオフィス移転に対するイメージをすることが出来るオフィス移転コンサルティング会社です。
お客様導入実績は日本全国で12,362件と様々な業種で豊富なノウハウを持っています。グループ会社で引越し業者・OA機器業者等も揃えており、安心してオフィス移転をお願いできる特徴を持っています。オフィス空間は、物件探しから移転、内装、各種工事、IT環境や電話機、オフィス家具までオフィス環境に関わるあらゆるサービスをワンストップで提供します。
小規模から大規模、業種問わず、対応できるリソースと実績があり価格も抑えられると定評があり、バランスの良いサービスを提供しているようです。
【オフィス移転コンサル業者③】コクヨ ファニチャー
https://www.kokuyo-furniture.co.jp/solution/relocation/
- デザイン:2
- 実績:5
- 価格:4
- 業務範囲:2
- 特徴
大本が家具メーカであるということは本当に大きなメリットです。オフィス移転経験者だとよく分かるのですが、家具選びは本当に骨が折れます。ある程度統一感をもたせるためには、一つのメーカーに絞ったオフィス家具選びが必要になってきます。反面、その分デザインはある程度限られてくるのがデメリットでもあります。
コクヨによるオフィス移転プロジェクトのサポートは、初期段階の社内検討フェーズにおけるビル比較やコストシミュレーションの提供も行い、移転完了後にはオフィスの運用・継続維持の面でも、業務アウトソーシング(BPO)や、社内研修などによるさまざまなサポートが可能です。すべてのフェーズにおいて、お客様専属の担当スタッフにより、ワンストップでご提供するということも公言しています。
【オフィス移転コンサル業者④】ブレインズ
- デザイン:3
- 実績:3
- 価格:2
- 業務範囲:5
- 特徴
オフィス移転に関することであれば、丸投げでもなんでもやります!という印象を受けます。また、最速スケジュールが「問合せ」〜「移転日」まで最短7日でできるとのこと。ワンストップサービスはもちろん、引越しだけ、電気工事だけなど部分的なサービスの提供も行っているようです。小さな会社は特にあると思うのですが、退去までに時間がない、面倒だけどやらなければならない時、まずは相談したくなるような会社ですね笑
【オフィス移転コンサル業者⑤】三幸ファシリティーズ
- デザイン:2
- 実績:2
- 価格:3
- 業務範囲:3
- 特徴
オフィス移転に関して自社のノウハウより戦略を立て、移転時の違和感やひずみを限りなくすくなくする特徴があります。本業に打ち込める環境づくりはオフィス移転に関しては最も必要な部分かもしれません。ただし、業務エリアが東京(千代田区、中央区、港区)のみという部分が場合によっては少し悩みどころになるかもしれません。
【オフィス移転コンサル業者⑥】日通
https://www.nittsu.co.jp/iten/
- デザイン:2
- 実績:4
- 価格:4
- 業務範囲:3
- 特徴
学校移転や病院移転など、大規模で特殊業種であると運ぶものが多かったり、通常の移転業者に任せるのに不安がある場合は、日通のようなモノを運ぶことに強みのある移転会社にお願いすることが最善かもしれません。モノを移動させることに関しては完璧なコストマネジメントをしてくれるので、無駄な費用や手間を大きく抑えてくれるはずです。
【オフィス移転コンサル業者⑦】ザック
www.zac-zac.com/office_relocation/
- デザイン:3
- 実績:4
- 価格:3
- 業務範囲:4
- 特徴
毎年300件以上のオフィス移転をしている実績があります。物件選定(物件調査)部分から立ち会って考えてくれるコンサル会社は意外と多くありません。物件を平米数と賃料等表向きな部分のみ判断してしまうとトラブルになる可能性があります。例えば、本来であれば会議室が2つは十分に作れると思っていたが、消防法上考えていたイメージ通りのレイアウトが不可能なんてことも大いに有りまえます。物件選定からサポートしてくれるのはそういった意味でも本当に助かります。
【オフィス移転コンサル業者⑧】ヒトカラメディア
http://hitokara.co.jp/service/
- デザイン:5
- 実績:2
- 価格:2
- 業務範囲:1
- 特徴
「ただのオフィス移転」を「会社の成長の好機」に変える、というのがヒトカラメディアのオフィス移転理念です。経営戦略や採用戦略に紐付いたオフィス選定、組織の課題解決や成長につながる内装プランニングしていくため、大手というよりは中小企業にとっては最も重要なコンサルティング要因かもしれません。居抜きオフィス移転をマッチング・コーディネートする「オフィススイッチ」というサービスもあり、枠にとらわれない発想でオフィス移転のサポートをしてくれます。
【オフィス移転】流れ/チェックリスト/メリット・デメリットまとめ
【オフィス移転①】オフィス移転をする前に
通常の住居の引越しとオフィスの引越しとでは、引越しの目的が違う部分が大きくあります。
よくある住居の引越しでは、荷物を安全に引越し先まで運ぶことだけが主な目的です。とてもわかり易いです。
一方、オフィスの引越しは、荷物を運ぶことはもちろん、引越し後に問題なく業務を始められる状態にすることも大きなお目的にもなります。
また、オフィス移転で忘れてはいけない根本的な目的(意図)も多岐に渡り、その目的ごとに必要とされる動きは異なってきますので、十分に確認する必要があります。
- オフィス移転の目的1:事業拡大
事業の拡大や成長のためというのも、オフィス移転の目的の一つです。
どういった場合かというと、アフターフォローが競争優位となっているような会社の立地環境は、どんな環境が適切でしょうか?
上記のような場合だと、やはり「顧客との距離」は重要になると思います。
アフターフォローを必要とする顧客を精査し、その顧客の所在地リストを元に、
不動産会社に最適な物件選びを手伝ってもらう必要があるかもしれません。
- 事務所移転の目的2:業務運営の改善
業務の運営上の改善が必要で、オフィス移転するというのも目的の一つになります。
駅から遠い場所に会社があり、交通が不便であることが業務の生産性向上に支障をきたしているのであれば、
駅近くや多くの路線が通っていて便利な駅の近くにオフィスを構えることも考える必要があるかもしれません。
- 事務所移転の目的3:事業継続性の向上
事業を今後より長く続けていくために、セキュリティ面での改善が必要になり、そのたのオフィス移転も目的の一つです。
例えば、オフィスの立地や建物の形状にも大きく関わってきます。火災が起こってしまっても基幹システムまでは火が回らない形状の建物にする必要があるかもしれません。
- 事務所移転の目的4:認知度向上
事業を拡大する上で会社のブランド認知度の向上は重要課題になりました。そのため、ブランド認知度の向上もオフィス移転の目的の一つにもなりえます。
例えば、銀座、代官山、恵比寿、中目黒など地名に応じたブランドイメージを活用した会社ブランドの認知度向上の必要もあるかもしれません。
- 事務所移転の目的5:コスト削減
家賃等といった固定費のコストカットも、オフィス移転の大きな目的の一つです。
コスト削減が引越し目的の場合、金額交渉を軸に据えて、オフィス移転の準備を進める必要があります。
場合によっては、不動産業者や引越し業者が独自に持っているコネクションが優位に働くこともあると思います。
- 事務所移転目的6:人材確保
職探しをしている人にとっては、オフィス環境も職場選びの一つの指標になります。
よりオシャレな空間はオフィスで働くひとの満足度の向上にも繋がることもあるでしょう。
オフィスの移転目的が優秀な人材確保だった場合も、オフィス移転の大きな目的の一つになります。
【オフィス移転②】流れとスケジュール
ここでは、新オフィスへの移転するまでに発生するタスクとスケジュールについて順を追ってご紹介致します。
オフィス移転は引越し作業だけでなく、加えて多くの手続きが必要となるため、作業すべき内容やタイミングを把握しておくことが大切です。
オフイス移転6カ月前:移転スケジュールの全体計画・物件選び
オフィス移転は予想以上に時間がかかるものです。移転直前になってから慌てることのないように、移転スケジュールの立案や物件の選定は6カ月前に済ませておくのがベストです。
・移転スケジュールの全体計画
まず、現オフィスが何ヶ月前に解約通知をする必要があるのか等を確認し、その期間も含めて逆算して移転計画のスケジュールを組む必要があります。
また、企業が大きくなればなるほど組織が細分化し、その分整理しなければならない事項が煩雑化します。
そのため、各部署から担当者を選任して、オフィス移転のプロジェクトチームを作成すると全体的なスケジュール管理や連絡含めスムーズに進みます。
・物件選び
前述致しました「オフィス移転をする目的」に沿って、立地や広さ、賃貸料などの条件を設定し、物件を抽出していくことが大切です。
それに伴って、トイレや給湯室など共用部の使い勝手や、監視カメラや警備員の配置などのセキュリティ対策も必ずチェックしておきます。
いくつか物件候補を見つけ出したら、条件を比較検討していきます。物件の申し込み段階では、違約金等は発生しません。
ただし、契約後のキャンセルは違約金発生の条件に当てはまりますので十分に気をつけましょう。
オフィス移転5カ月前:レイアウト/コンセプトデザイン作成
移転の5カ月前オフィスのデザインやレイアウトについて検討し始めの時期になります。前述の通り、オフィスのデザインやレイアウトは社員のモチベーションアップや企業のブランディングにもつながるため、特にこだわりたい部分です。
また、社員の行動パターンを考えた導線を考え、従業員が快適に過ごせるような内装を取り入れる必要があります。なお、このタイミングで、内装業者の選定も必要です。工事期間はよく前後することがあるので、移転の3カ月前には内装工事に着手し、1カ月前には工事が完了を目安にすればいいと思います。
オフィス移転3~4カ月前:現オフィス物品整理・各種工事手配
移転の3~4カ月前を目安に、現オフィスの物品の整理や各種工事手配を行いましょう。ここを疎かにしてしまうと大きなスケジュール崩れといったトラブルが起こった際に柔軟に対応できなくなる可能性があります。
余裕を持って移転するためにも前もって準備しておきましょう。
- 現オフィスの物品整理
現在のオフィスから移転する物品、廃棄する物品を選別し、新規購入するものをリストアップします。
オフィスによってリストアップする項目は様々可と思いますが、電話やFAXなどのOA機器、家具や什器、備品などの移設や追加購入を検討することは忘れず行いましょう。
電話機やOA機器といった、メーカーが違うことで連絡先を一本化出来ない事項が多くあると思いますので、事前にそれぞれの対応をどうするのかまとめておくとスムーズになります。
- 各種工事手配
前述の通り、メーカーの違い等面倒な手配は事前にまとめておくことをオススメします。
一点頭の隅に置いておいて頂きたいのは、NTTといった業者に電話設備を依頼すると1ヶ月程の工事期間がかかったりするので前倒しで行っていきましょう。
その際に、メーカーやプランを再検討することで、手間を省くことが出来たりコストカット等に繋がる可能性も大いにありますので、そこらへんを見逃さないように前もって準備しましょう。
オフィス移転2カ月前:移転の届け出
付き合いのある業者等に対して移転の挨拶は移転の2カ月前を目安に、遅くとも1カ月前までに行うのが良いです。
業務の取引先のほか、取引のある銀行や宅配業者や郵便局といった見逃してしまいそうな先にも連絡を忘れずに。
挨拶漏れがあると移転後の業務に支障を来す場合もありますので、抜け漏れのないように送付先をリスト化しておきましょう。ホームページにオフィス移転をアラートする等も含めて検討して下さい。
オフィス移転1カ月前:引越し準備
住所変更があるということは、会社の住所が記載されているものは全て変更する必要があります。各部署と連携を取りながら、手配が必要なものを把握しておく必要があります。
主なものとしてホームページやパンフレット、名刺や封筒、社員証などリストアップしておくとよいでしょう。
荷物を梱包していくにしても、番号の割り振りなど事前にマニュアル化しておくことで、移転後にスムーズに搬入や開封作業ができたりもします。
オフィスがフロアや階数をまたぐときには便利なのでオフィス移転のルール等を決めておくと良いかもしれません。
オフィス移転直後:公的機関への届け出・原状回復工事
引越しが無事完了して、早速新オフィスで業務を始めたいところと言いたいですが、後々トラブルにならないように確認しておかなければならない事項があります。
以下ポイントをしっかり抑えて、抜け漏れのないオフィス移転にしましょう。
- 各種届け出
事務所を移転させた場合には各種届け出が必要です。
具体的には法務局、税務署、都道府県税事務所、社会保険事務所、公共職業安定所、労働基準監督署、消防署、郵便局、警察署などの公的機関が挙げられます。以上で挙げたような各所への届出は厄介なことに期間がバラバラです
例えば、労働基準監督署や公共職業安定所は移転後10日以内の提出をする必要があります。それぞれいつまでに提出しなければならないかを確認し、移転後速やかに提出できるよう準備しておきましょう。
- 原状回復工事
これは、移転前オフィスも移転後オフィスにも必要な確認作業になります。物件を退去する際は、入居時と同じ状態に「原状回復工事」をする義務があります。
どの程度回復させる必要があるのかの基準は法律でもある程度ルール化されていますが、ビルオーナーによって契約書に特約も盛り込むなどされていたりして異なるため、確認してから工事を依頼する必要があります。
なお、退去時の立会確認の際のトラブル防止のため、入居前後の様子が分かる写真・図面(竣工図、レイアウト図面など)があると回復範囲の確認に役立ちます。こういった、資料は次回のオフィス移転の際にも必要になりますので、必ず保管するようにしましょう。
【オフィス移転③】タスクチェックリスト
現オフィスのチェックリスト
□ 解約予告の時期の確認(契約書の確認) □ 原状回復条件及び費用
□ 敷金等の預け入れ金の返還時期の確認 □ 原状回復業者の選択が可能か
□ 新オフィス入居可能時期から逆算した引渡し時期 □ どの範囲で原状回復が必要か
□ 以上の各作業に対する業者手配とスケジュール、費用の確認
新オフィスのチェックリスト
- 社内の移転準備プロジェクトの編成
□ 移転の目的確認 □ 移転スケジュールの立案
□ 従業員への移転計画の説明
- 新オフィスの選定
□ 立地・場所 □ 従業員の通勤時間 □ 他の入居テナント
□ 周辺環境(銀行、郵便局、役所、飲食店、商業施設等の所在地含め)
□ コスト(賃料・共益費・敷金、保証金・更新料・礼金・預託金)
□ 内装業者の選定 □ 引越し業者の選定
□ 電話・FAX・OA機器移設の各専門業者選定
□ 以上概算費用
- オフィスプランニング 移転案内
□ 具体的なレイアウトプラン作成 □ 使用人数/一人あたりの面積
□ 新規什器備品・OA機器の購入or既存を検討 □ 上記内装工事見積
□ 案内文作成と送付(メールと文書)※文書の場合は印刷発注 □ 発送完了
内装業者・家具メーカー作業のチェックリスト
□ 目的に沿ったレイアウトか □ 工事スケジュールの確認
□ スペースの配分は適当か □ 企業イメージと合っているか
□ 電話・OA機器移設、引越作業等のスケジュール管理 □ 収納スペース確認
□ 間仕切り・内装など、エアコンが届くかどうかや法規上の問題はないか
□ 防災関係など、法規上問題はないか
□ 空調の変更・追加の必要性はあるか □ 電気容量は十分か
□ 電源が取り易い位置にあるか □ 家具・什器備品の無駄な発注はないか
□ 費用が適当であるか
引越業者作業のチェックリスト
□ 全体スケジュールの確認 □ 引越しマニュアルの作成
□ 移転物品・残留物品・廃棄物リスト作成 □ 廃棄物の処理方法
□ 梱包方法 □ 搬出・搬入方法
□ 社内説明会の開催 □ 社内への指示、作業の割り当ての確認
□ 最終レイアウトと現場との整合性 □ 鍵受け渡しの確認
【オフィス移転④】メリット・デメリット
オフィス移転のメリット
オフィス移転の主な理由は利便性の向上です。オフィスを移転することで、さまざまなメリットを得られることもあり企業によっては積極的に移転計画を進めていった方が良いこともあります。
まず、オフィス移転をすることは、優秀な人材を確保したい企業にとって大きな意味を持つといえます。新卒採用や中途採用で就職活動をしている人材は企業を志望するうえでオフィス環境を挙げることも珍しくありません。
都心の一等地などにオフィスを構えることは、それだけでも企業のブランドイメージを向上させ優秀な人材を集めやすくすることにもつながります。もちろんオフィスの立地だけでなく眺望や設備なども優秀な人材を引き付ける要素のひとつになります。
現オフィスを新オフィスに移転することで、立地や眺望、設備などが良くなれば新しい人材を集めることに役立つだけでなく、社員のモチベーションを向上させることもできるでしょう。このようにオフィス移転をすることは会社の将来に向けて大きな意味を持つといえるのです。
・ワーカーのモチベーション向上とコスト削減
一方、社員にとってもオフィス移転は大きなメリットになることがあります。それまでと環境が一変することによってモチベーションの向上を狙えるだけでなく、通勤の利便性の高い立地への移転であれば社員の通勤時間の短縮にもつながる可能性があります。
社員の通勤時間が短くなれば仕事に割ける時間をより確保しやすくなるメリットもあります。さらに会社が社員に支払う交通費を削減することも可能となり会社全体のランニングコストの削減にもつながるでしょう。
・コミュニケーションの活性化
オフィスの移転や改装などに踏み切るに至る経緯として、面積や家賃以外にも、期待する部分が多いのが実情だと思います。その1つとして見込んでいるものが、コミュニケーションの活性化ではないでしょうか。
今まで停滞気味だった部署内や部署の垣根を超えたコミュニケーションを、例えばマグネットスペースや休憩室などを設けることによって活性化させることが期待できるため、新しいアイデアが生まれやすい環境を作り出せます。
「気軽に会話しづらい」といった空気を読みすぎな嫌いのある日本人ワーカーは特に、「会話しやすい環境」という会社からの後押しの有無で、コミュニケーションに変化が起きやすいはずです。
・情報収集
近年はさほど重要な意味を持つとも言えなくなりつつありますが、たとえば、ライバル企業が軒を連ねるエリアにオフィス移転をすれば、相手の情報をいち早くつかむこともできるようになるでしょう。また金融業界などは、日本銀行の政策ひとつで業績が左右される面があります。
国会議事堂や日本銀行から程近い立地にオフィスを構えることで情報収集における利便性の向上を図ることができ、それを業績に反映させることも考えられます。このように、オフィス移転をすることは会社の業績にも大きな影響を与えます。
オフィス移転のデメリット
事務所移転をすることは多くのメリットもある一方、デメリット面も把握しておく必要があります。メリット・デメリットのバランスを見誤ると会社の業績にも少なからず影響を与えることになるでしょう。
・従業員のモチベーションダウン
オフィス移転によって従業員の通勤時間が短縮できる点はメリットでもある一方で、逆に移転することでかえって通勤時間が長くなる場合もあることを十分に理解しておく必要があります。立地は従業員の職場選びにとって、大きな判断基準になるでしょう。従業員の負担の増大(通勤のしやすさや仕事のしやすさが激変)が、会社を辞める理由になるということもありえるでしょう。
そのためオフィス移転を検討するなら、事前に社員の立場に立って、場合によってはヒアリングをしておくことも大切です。もちろん全員の意見を聞くことは難しいので、場合によっては会社と事業継続性の面から意見を十分に考慮する必要のある人材はピックアップする必要もあると考えられます。
・固定費の上昇
オフィス移転をすることで家賃などの固定費が上昇してしまうことがあることにも留意しなければなりません。事業拡大や社内環境の改善のためにオフィス移転をする場合は、従業員の増員や面積の増大に伴い、それまでよりも賃料の高い場所へ移転することが多くなります。
そのため、オフィス移転は、社内環境の改善や社員のモチベーションの向上を図れる一方、固定費の上昇などが業績を圧迫することもあり得ます。そのため、この部分でも十分な注意が必要です。
オフィス家具などを新しく購入するといったことがあればなおさらのことです。場合によっては、中古品の購入なども検討するなど、予算への細心の考慮が必要になります。
長々と書いてしまいました。読んで頂きありがとうございました。